7月8日は三谷幸喜の誕生日。監督作でどの作品が好きですか?
三谷幸喜は1961年7月8日に東京都世田谷区で生まれました。
日本大学在学中に「劇団サンシャインボーイズ」を結成、放送作家としても活躍し、1993年「振り返れば奴がいる」でテレビドラマの脚本家としてデビュー。
その後も「王様のレストラン」、「古畑任三郎」などTVドラマの脚本を手掛け、映画では1991年の「12人の優しい日本人」で脚本を担当。
「12人の優しい日本人」は劇団東京サンシャインボーイズによる舞台劇を映画化。シドニー・ルメットの名作「十二人の怒れる男」を元に、ある殺人事件の審議のため無作為に集められた陪審員たちが白熱の議論を繰り広げるシチュエーション・コメディ。
1997年「ラヂオの時間」で映画監督デビュー。「みんなのいえ」、「THE 有頂天ホテル」、「ザ・マジックアワー」、「ステキな金縛り」、「清須会議」、「ギャラクシー街道」、「記憶にございません!」を監督。
三谷幸喜の映画監督作品としては次の通りです。
★「ラヂオの時間」
自ら脚本、演出を手がけた劇団東京サンシャインボーイズの演劇を唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦共演で映画化したラジオ・ドラマの制作現場を描いたシチュエーション・コメディ。
1997年11月8日(土)に公開され、配収4億円。
主婦のみやこは、自分が初めて書いた脚本がラジオ・ドラマになり有頂天で生放送のスタジオに参加するが、主演女優の千本のっこのわがままが発端で、脚本内容がどんどん変えられていく…
三谷幸喜監督の原点ともいえる作品。ラジオ・スタジオという限られた空間で展開されるシチュエーション・コメディで、何度見ても飽きません。
★「みんなのいえ」
自らの家造り体験を元に唐沢寿明、田中直樹、八木亜希子、田中邦衛で新居が建つまでの苦労話を描いたコメディ。
2001年6月9日(土)に公開され、配収12.5円。
ある夫婦の新居を巡り、設計を依頼されたインテリア・デザイナーと妻の父である大工の男とが対立し巻き起こる騒動を描く…
新居が建つまでの苦労話が等身大で描かれていて、頑固な大工の棟梁や優柔不断な夫など単純明快なキャラはわかりやすく、誰もが楽しめる作品です。
★「THE 有頂天ホテル」
役所広司、松たか子、香取慎吾、佐藤浩市ほか豪華俳優共演で大晦日のホテルを舞台に描いたシチュエーション・コメディ
2006年1月14日(土)に公開され、興収60.8億円。
大晦日のカウントダウンパーティーを控えたホテルを舞台に、さまざまな問題を抱えたホテルマンやワケアリの宿泊客たちの運命が交錯する…
劇中で多用されるワンシーンワンカットの長回しや自由なカメラワークを可能にする大規模なホテルのセット。三谷幸喜ワールド全開のシチュエーション・コメディの傑作です。
★「ザ・マジックアワー」
佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、西田敏行共演で暗黒界のボスの愛人に手を出した男が三流役者を伝説の殺し屋に仕立てようとすることから巻き起こるコメディ。
2008年6月7日(土)に公開され、興収39.2億円。
ギャングのボスの愛人に手を出してしまったホテルの支配人が三流役者を伝説の殺し屋に仕立てようとする…
映画への愛情とオマージュが限りなく込められた大型エンターテインメント・コメディに仕上がっていて、三谷幸喜監督らしい作品です。
★「ステキな金縛り」
深津絵里、西田敏行、阿部寛共演で描いた法廷幽霊コメディ
2011年10月29日(土)に公開され、興収38.2億円。
失敗続きの三流弁護士が資産家の妻殺しの容疑で捕まった男の弁護することになるが、落ち武者の幽霊がただ一人の証人という奇想天外の法廷劇を描く…
三谷幸喜監督らしい、思いっきり笑えて、感動できて、何度でも見たくなる、ファンタジックな法廷幽霊コメディです。
★「清須会議」
役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市共演で織田信長の後継者を選ぶため清州城で会議を行った”攻防の五日間”を描いた群像劇。
2013年11月9日(土)に公開され、興収29.6億円。
戦国武将・織田信長亡き後、その後継者決定のため織田家の筆頭家老・柴田勝家と後の関白・羽柴秀吉、重臣の丹羽長秀らが尾張・清州城で会議を行った”攻防の五日間”を軸に描く…
清州城で会議を行った”攻防の五日間”に焦点を当てた群像劇。三谷幸喜監督ならではの歴史ヒューマン・ドラマであり、コメディ作品です。
★「ギャラクシー街道」
香取慎吾、綾瀬はるかほか豪華俳優陣共演で描いたスペース・ロマンティック・コメディ。
2015年10月24日(土)に公開され、興収12億円。
ハンバーガーショップを舞台に織りなす宇宙人模様。
時は西暦2265年。地球とスペースコロニーを結ぶ”ギャラクシー街道”に佇む小さなハンバーガーショップを舞台に店長のノアと妻のノエ、ハンバーガーショップで働く人々と客たちが織り成す宇宙人模様を描く…
宇宙人だらけの三谷流スペース・ファンタジー。ちょっと空回りだったのは三谷幸喜が「真田丸」の準備で忙しすぎたのかも。
★「記憶にございません!」
三谷幸喜が監督・脚本、中井貴一主演の記憶喪失の総理大臣を巡る”政界”コメディ。
2019年9月13日(金)に公開され、興収36億円。
国民から嫌われ、史上最低の支持率を叩き出した総理大臣の黒田啓介が一般市民の投げた石が頭に当たり記憶喪失になってしまったことから巻き起こる騒動…
記憶喪失の総理大臣を中心に、一癖も二癖もありそうな政治家と取り巻く人々をコミカルに描いていて、三谷幸喜ワールドが楽しめます。もう少しスパイスが効いていてもよかったかも。
2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」、2022年「鎌倉殿の13人」の脚本を手掛けるなど、さらなる活躍が期待される脚本家であり、映画監督の一人です。
三谷幸喜の監督作でどの作品が好きですか?