「2019年度映画秘宝トホホ10」が発表。どの作品にトホホしましたか?
「映画秘宝」の25周年記念で休刊となった2020年3月号が発表した「2019年度映画秘宝トホホ10」。
1位はシリーズ最新作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」。
2位はアーノルド・シュワルツェネッガー主演「ターミネーター:ニュー・フェイト」、3位はホアキン・フェニックス主演「ジョーカー」、続いてディズニー/ピクサー製作「トイ・ストーリー4」、ダコタ・ジョンソン主演「サスペリア」、蜷川実花監督、藤原竜也主演「Diner ダイナー」…どの作品にトホホしましたか?
1位「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(原題 Godzilla: King of the Monsters)
最低映画賞、カイル・チャンドラー、チャーリー・ダンスが最低助演男優賞、最低スクリーンコンボ賞、最低リメイク・パクリ・続編映画賞、最低監督賞、最低脚本賞の6部門7ノミネート。
ハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」の続編。「クランプス 魔物の儀式」のマイケル・ドハティが監督。ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、渡辺謙、チャン・ツィイーが共演。
5月31日(金)に公開され、興収24.6億円。
2020年公開予定の”Godzilla vs. Kong”へとつながる注目作。前作から5年後が舞台。モスラ、ラドン、そしてキングギドラの三大怪獣が登場。
最恐の怪獣として暴れまくるキングギドラ。さらに凶暴になったラドン。そして日本のモスラとはちょっと違ったイメージながら美しいモスラ。前作よりもさらにパワーアップしたゴジラと三大怪獣の戦いがとことん楽しめますが、トホホなストーリー展開でした。
2位「ターミネーター:ニュー・フェイト」(原題 Terminator: Dark Fate)
アーノルド・シュワルツェネッガー主演、ティム・ミラー監督、ジェームス・キャメロン製作のシリーズ最新作。
2019年11月8日(金)に公開され、興収20.7億円。
サラ、T-800、人類の命運を握る女性ダニー、彼女を守る謎の戦士グレースが凶悪に進化を遂げた最新型ターミネーターのREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる…
ジェームス・キャメロン製作で「ターミネーター2」の正統な続編として謳われていただけに期待値が高まりすぎました。
3位「ジョーカー」(原題 Joker)
「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップスが監督・脚本、ホアキン・フェニックス主演で描いたバットマンの宿敵ジョーカーの誕生物語。
2019年10月4日(金)に公開され、興収50億円。
のちにゴッサムシティの悪・ジョーカーとなる男アーサー・フレックがいかにして悪の道に進むか…
ジョーカーことアーサー・フレックスにはホアキン・フェニックス。
第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、ホアキン・フェニックスが主演男優賞、脚色賞、音響編集賞、録音賞、撮影賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞の最多11部門にノミネート。
第77回ゴールデン・グローブ賞でドラマ部門男優賞、第76回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞、第44回トロント国際映画祭でホアキン・フェニックスが功労賞(TIFFトリビュート・アクター・アワード)を受賞。
ゴッサムシティの貧困と差別の不条理によりアーサーの心の闇のさらなる狂気が生み出した怪物”ジョーカー”。
ホアキン・フェニックス演じるアーサーが生み出す狂気。凄まじすぎます。
4位「トイ・ストーリー4」(原題 Toy Story 4)
ディズニー/ピクサー製作、おもちゃの世界を描いた人気シリーズの第4弾。短編「ライリーの初デート?」を手掛けたジョシュ・クーリーが監督。
2019年7月12日(金)に公開され、興収100.7億円。
外の世界へ飛び出したオモチャのフォーキーとカウボーイ人形のウッディと仲間たちの新しい冒険を描く…
19年ぶりにボー・ピープが再登場。物語のキーマンとなるフォーク型の新キャラ”フォーキー”、ヒヨコとウサギのおもちゃのダッキーとバニーも登場。新しい「トイ・ストーリー」の物語が楽しめますが、いろいろと考えさせられつつ、トホホでした。
5位「サスペリア」(原題 Suspiria)
ダリオ・アルジェントの傑作ホラーをルカ・グァダニーノ監督がダコタ・ジョンソン主演で大胆にアレンジ。
2019年1月25日(金)に公開され、興収0.2億円。
70年代ドイツを舞台に名門バレエ・カンパニーに入団したアメリカの留学生のスージーがカリスマ振付師の寵愛を受ける中、不可解な出来事が頻発し、ダンサーが次々と失踪を遂げる…
70年代ドイツを舞台に名門バレエ・カンパニーに巣食う禁断の秘密をオリジナルとは異なる視点で大胆にアレンジ。第75回ヴェネツィア国際映画祭では歓声と怒号の入り混じる賛否両論が巻き起こった話題作だっただけに期待値が高まりすぎたかも。
6位「Diner ダイナー」
平山夢明の小説を蜷川実花監督が藤原竜也主演で映画化した元殺し屋の天才シェフを描いたサスペンス。
2019年7月5日(金)に公開され、興収12.4億円。
ある女性がウエイトレスとして身売りされた殺し屋専用のダイナーを舞台に、元殺し屋の天才シェフのボンベロと店を訪れる凶悪な殺し屋たちの異様な世界を描く…
映像化不可能と言われた衝撃の小説がついに実写映画化。蜷川実花監督と藤原竜也の再タッグで期待しすぎてしまったのかも。
7位「アド・アストラ」(原題 Ad Astra)
ジェームズ・グレイ監督がトミー・リー・ジョーンズ、リヴ・タイラー共演で父の謎を追う宇宙飛行士を描いたスペース・アドベンチャー。
2019年9月20日(金)に公開され、興収5.9億円。
遥か彼方の太陽系の彼方に消えた父の謎を追う宇宙飛行士ロイ・マグブライドの壮大な旅路…”アド・アストラ”とはラテン語で”TO THE STARS=星の彼方へ”という意味。
宇宙飛行士ロイの父親、自分探しの壮大な物語。宇宙に吸い込まれるような映像の美しさやブラッド・ピットの表情で魅せる演技には圧倒させられますが、ストーリー展開はトホホでした。
8位「アリータ:バトル・エンジェル」(原題 Alita: Battle Angel)
日本の伝説的SFコミック「銃夢」をジェームズ・キャメロンが脚本・製作、ロバート・ロドリゲス監督が映画化。
2019年2月22日(金)に公開され、興収9.1億円。
瓦礫の中から拾われ、300年の眠りから目覚めた人の心を持つ最強サイボーグの少女アリータ。2つに分断された世界で、アリータの世界を変える壮大な旅が始まる…
モーションキャプチャーによるCGで制作されたアリータ。人間の心と最強の体を持つアリータの世界を変える旅。ジェームズ・キャメロンが贈る究極の映像体験だっただけにトホホでした。
9位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(原題 Once Upon A Time In Hollywood)
クエンティン・タランティーノ監督がレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット共演で描いた社会派ドラマ。
2019年8月30日(金)に公開され、興収11.5億円。
カルト集団マンソン・ファミリーによって大女優で当時妊娠していたシャロン・テートが殺害された事件が起きた1969年のロサンゼルスを舞台にハリウッドの光と影を描く…
第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、ブラッド・ピットが助演男優賞、脚本賞、音響編集賞、録音賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞の10部門にノミネート。
第77回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル・コメディ部門の作品賞、助演男優賞、脚本賞の最多の3部門受賞。
クエンティン・タランティーノが失われてしまったハリウッドという黄金時代の最後の瞬間を、郷愁とリスペクトを込め、5年の歳月を費やして脚本を執筆しただけあって、クエンティン・タランティーノ節が全開で楽しめます。クエンティン・タランティーノ監督作だったので、期待が大きかったのかも。
9位「新聞記者」
東京新聞記者の望月衣塑子のノンフィクションを藤井道人監督がシム・ウンギョン、松坂桃李共演で映画化した権力とメディアの”今”を描いた社会派サスペンス。
2019年6月28日(金)に公開され、興収4.8億円。
政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫る女性記者と理想に燃え公務員の道を選んだ若手エリート官僚がそれぞれの信念を胸に対峙する…
第43回日本アカデミー賞で優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、松坂桃李が優秀主演男優賞、シム・ウンギョンが優秀主演女優賞、優秀編集賞の6部門を受賞。
一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを真正面から問いかけていて、現在の日本の権力、メディアの様々な問題を浮き彫りにします。期待値が高くなりすぎたのかも。
どの作品にトホホしましたか?
「映画秘宝」は残念ながら休刊となってしまいましたが、「映画秘宝」のトホホ10、来年は復活することを期待しております。