2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン。読者選出外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?
読者選出外国映画ベスト・テンの1位はホアキン・フェニックス主演「ジョーカー」。
2位はアカデミー賞作品賞受賞「グリーンブック」。続いて「運び屋」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」、「ROMA/ローマ」、「アイリッシュマン」…どの作品を見ましたか?
読者選出外国映画ベスト・テンは次の通りです。
1位「ジョーカー」(原題 Joker)
「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップスが監督・脚本、ホアキン・フェニックス主演で描いたバットマンの宿敵ジョーカーの誕生物語。
2019年10月4日(金)に公開され、興収50億円。
のちにゴッサムシティの悪・ジョーカーとなる男アーサー・フレックがいかにして悪の道に進むか…
第92回アカデミー賞でホアキン・フェニックスが主演男優賞、作曲賞の2部門、第77回ゴールデン・グローブ賞でドラマ部門男優賞、作曲賞の2部門、第76回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞、第44回トロント国際映画祭でホアキン・フェニックスが功労賞(TIFFトリビュート・アクター・アワード)を受賞。
ゴッサムシティの貧困と差別の不条理によりアーサーの心の闇のさらなる狂気が生み出した怪物”ジョーカー”。
ホアキン・フェニックス演じるアーサーが生み出す狂気。凄まじすぎます。
2位「グリーンブック」(原題 Green Book)
ピーター・ファレリー監督がヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ共演で黒人ピアニストと用心棒の友情を描いたヒューマン・ドラマ。
2019年3月1日(金)に公開され、興収21.2億円。
人種差別が根強く残る1962年を舞台に、天才黒人ピアニストのシャーリーが粗野なトニーを用心棒として雇い、アメリカ南部へコンサート・ツアーに出かける…
第91回アカデミー賞で作品賞、マハーシャラ・アリが助演男優賞、脚本賞の3部門、第76回ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門の作品賞、ヴィゴ・モーテンセンセンが主演男優賞、監督賞、脚本賞、マハーシャラ・アリが助演男優賞の5部門、第43回トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)を受賞。
ガサツなイタリア系用心棒とインテリな黒人天才ピアニストの前途多難な旅。様々な困難、差別を乗り越えて、徐々に深まっていく二人の友情には感動させられます。
3位「運び屋」(原題 The Mule)
クリント・イーストウッド監督・主演でドラッグの伝説の”運び屋”の悲哀を描いたドラマ。ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、ダイアン・ウィーストほかが共演。
2019年3月8日(金)に公開され、興収7.6億円。
幾度となく麻薬を運び、巨額の報酬を得ていた伝説の”運び屋”。その男はなんと90歳の老人だった…
知己を使い、麻薬取締局の捜査をかいくぐり、最年長の”運び屋”となった老人の前代未聞の実話。クリント・イーストウッドが監督・主演を手掛けてドラッグの運び屋となった初老の男の悲哀を見事見せてくれ、老人の長い人生を凝縮したような力強さを感じます。
4位「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(原題 Once Upon A Time In Hollywood)
クエンティン・タランティーノ監督がレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット共演で描いた社会派ドラマ。
2019年8月30日(金)に公開され、興収11.5億円。
カルト集団マンソン・ファミリーによって大女優で当時妊娠していたシャロン・テートが殺害された事件が起きた1969年のロサンゼルスを舞台にハリウッドの光と影を描く…
第92回アカデミー賞でブラッド・ピットが助演男優賞、美術賞の2部門、第77回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル・コメディ部門の作品賞、助演男優賞、脚本賞の最多の3部門受賞。
クエンティン・タランティーノが失われてしまったハリウッドという黄金時代の最後の瞬間を、郷愁とリスペクトを込め、5年の歳月を費やして脚本を執筆しただけあって、クエンティン・タランティーノ節が全開で楽しめます。
5位「ROMA ローマ」(原題 ROMA)
アルフォンソ・キュアロン監督が1970年代のメキシコを舞台に描いた家族の愛の物語。
NTEFLIXで配信中。
政治的混乱に揺れる1970年代メキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を若い家政婦の視点から描く…
第91回アカデミー賞で監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門、第76回ゴールデン・グローブ賞で監督賞、外国語映画賞の2部門、第75回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で金獅子賞(最高賞)受賞。
アルフォンソ・キュアロン監督が自身の幼少期の体験を交えながら、全編モノクロ映像で描いた心揺さぶる家族の愛の物語。
6位「アイリッシュマン」(原題 The Irishman)
マーティン・スコセッシ監督がロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ共演で実在の凄腕ヒットマンを描いたドラマ。
1970年代に裏社会とのつながりでも知られた労働組合指導者ジミー・ホッファの殺人に関与した容疑をかけられた実在の「アイリッシュマン」と呼ばれたマフィアの殺し屋フランク・シーランの半生を描く…
第85回ニューヨーク映画批評家協会賞で作品賞、ジョー・ペシが助演男優賞を受賞。
マーティン・スコセッシ監督ならではの重厚で緊迫感あふれる映像で描かれるアメリカ裏社会で生きたある殺し屋の壮絶なドラマ。
7位「存在のない子供たち」(原題 Capharnaum)
レバノンの女性監督ナディーン・ラバキーが中東の社会問題に切り込んだドラマ。
2019年7月20日(土)公開。
中東の貧民街で貧しさゆえに親からまともな愛情も受けることができずに暮らす12歳のゼインの目線を通し、中東の貧困、移民問題を抉り出す…
第71回カンヌ国際映画祭で審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞。
第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。
少年の視点から炙り出される育児放棄、路上生活、児童婚など貧困・移民問題。
8位「女王陛下のお気に入り」(原題 The Favourite)
ヨルゴス・ランティモスが監督がオリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン共演で18世紀イングランドの王室の愛憎を描いた宮廷ドラマ。
2019年2月15日(金)公開。
18世紀イングランドの王室で病気がちなアン女王と幼なじみのレディ・サラ、新入りの召使いアビゲイル、3人の女性の愛憎が繰り広げられる…
第91回アカデミー賞でオリヴィア・コールマンが主演女優賞、第76回ゴールデン・グローブ賞でオリヴィア・コールマンがミュージカル・コメディ部門女優賞、第75回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員賞)、女優賞を受賞。
孤独な女王とその寵愛を取り合う二人の女の息もつかせぬ稀代の宮廷絵巻。
9位「家族を想うとき」(原題 Sorry We Missed You)
ケン・ローチ監督が働き方の変化と時代に振り回される家族の姿を描いたヒューマン・ドラマ。クリス・ヒッチェン、デビー・ハニーウッドほかが出演。
2019年12月13日(金)公開。
イギリスのニューカッスルを舞台に宅配ドライバーとして独立して働くターナー家の父リッキーは現代が抱える様々な労働問題に直面しながら、家族とともに力強く生きていく…
グローバル経済が加速する中で変わっていく人々の働き方と時代の波に翻弄される現代の家族の姿。
10位「COLD WAR あの歌、2つの心」(原題 Cold War,Zimna wojna)
パベウ・パブリコフスキ監督が描いた冷戦に引き裂かれる恋人たちの切ないラブ・ストーリー。
2019年6月28日(金)公開。
冷戦によって15年間に渡り西側と東側の狭間で翻ろうされた、ピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラの愛と運命の物語。
第71回カンヌ国際映画祭で監督賞、第31回ヨーロッパ映画賞で作品賞、監督賞、ヨアンナ・クーリグが女優賞、脚本賞、編集賞の5部門、第84回ニューヨーク批評家協会賞で外国語映画賞を受賞。
こだわり抜かれたモノクロ映像と民族音楽、伝統民謡、フレンチジャズなど絶品のナンバー。ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリと様々な時代と場所をめぐる物語。
読者選出外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?