映画監督の大林宣彦が肺がんのため死去されました。監督作で印象に残っているのはどの作品ですか?
映画監督の大林宣彦が肺がんのため2020年4月10日に肺がんのため82歳で死去されました。
今回の訃報は残念でなりません。心よりご冥福をお祈りします。
大林宣彦は1938年1月9日に広島県尾道市で生まれました。
CMディレクターとして活躍し、1977年「HOUSE」で商業映画を初監督。
1982年に自身の郷愁を込めて尾道を舞台とした「転校生」を監督。「時をかける少女」、「さびしんぼう」と合わせ、“尾道三部作”として多くの熱狂的な支持を集めました。
その後「ふたり」、「青春デンデケデケデケ」、「野のなななのか」など数多くの作品を監督。
2004年の春の褒章に於いて紫綬褒章、2009年の秋の叙勲で旭日小綬章を受章し、2019年に文化功労者に選ばれました。
20年ぶりに故郷の尾道で撮影した最新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の公開日の予定の2020年4月10日に死去されました。心よりご冥福をお祈りします。
大林宣彦の主な監督作品は次の通りです。
★「転校生」
山中恒の児童文学を小林聡美、尾美としのり主演で映画化した体が入れ替わってしまった中学生の男女の周囲で起こる騒動と二人の淡い恋を描いた純愛物語。
1982年4月17日(土)公開。
尾道の中学校に転校してきた一美は幼なじみの一夫と再会するが、ふたりは神社の階段から転げ落ち、そのはずみで心と身体が入れ替わってしまう…
古き良き町、尾道を魅力的に描き、小林聡美、尾美としのりの初々しく弾けた好演が楽しめる”尾道三部作”の記念すべき第1作。
★「時をかける少女」
筒井康隆の小説を本作がデビュー作となる原田知世主演で映画化したSFファンタジー。高柳良一、尾美としのりほかが共演。
1983年7月16日(土)に公開され、配収28億円。
実験室でラベンダーの香りを嗅いだことで時間を跳躍する能力を持ってしまった芳山和子は会うはずのない彼に出逢ってしまう…
尾道を舞台に大林宣彦監督らしい映像が展開し、映画デビューを果たした原田知世の初々しい魅力が満載。
★「さびしんぼう」
山中恒の小説を富田靖子、尾美としのり主演で映画化した尾道を舞台にしたちょっぴり切ない恋物語。
1985年4月13日(土)公開。
片想いの空想ばかりしている高校生のヒロキの前にピエロのような格好をした”さびしんぼう”と名乗る不思議な少女が現れる…
「転校生」、「時をかける少女」に続く”尾道三部作”の第3作。二役を演じ、瑞々しい演技を魅せたた富田靖子の魅力が楽しめる切ない恋物語。
★「ふたり」
赤川次郎の小説を中島朋子、石田ひかり主演で映画化した突然事故死し幽霊となった姉に助けられて思春期を成長していく妹を描いた青春ファンタジー。
1991年5月11日(土)に公開され、配収1億円。
ある日、姉の千津子が事故で死んでしまい、ショックを受ける妹の実加の前に千津子が幽霊として現れ、千津子の励ましによって、実加は様々な苦境を乗り越えていく…
尾道を舞台に描いた”新・尾道三部作”の1作目。繊細に、ときにポップに、和洋折衷の色をまとわせながら、少女の成長が綴られた青春ファンタジーの名作です。
★「青春デンデケデケデケ」
芦原すなおの小説を林泰文、大森嘉之、浅野忠信主演で映画化したロックバンドに情熱を燃やす高校生たちを描いた青春ドラマ。
1992年10月31日(土)公開。
ベンチャーズの「パイプライン”」に衝撃を受けた高校生の「僕」こと藤原竹良が仲間とロックバンドを結成し、情熱を燃やし続ける…
香川県の観音寺町を舞台に情熱を燃やし続ける高校生たちの姿を瑞々しく、ほのぼのと、そしてノスタルジックに描いた青春映画の快作です。
★「野のなななのか」
常盤貴子、品川徹共演で北海道芦別市を舞台にひとりの老人の死によって郷里へ集まった家族の姿を描いた人間ドラマ。
2014年5月17日(土)公開。
北海道芦別市で92歳で息を引き取った鈴木光男の葬式のために帰郷した鈴木家一同の前に現れた謎の女、清水信子。一家は彼女を通し、ソ連軍の樺太侵攻で光男が体験した出来事を知る…
北海道の芦別を舞台に日本人の生き方を見つめたストーリーに加え、大林宣彦監督ならではのノスタルジックなタッチが楽しめます。
最新作で遺作となってしまった「海辺の映画館 キネマの玉手箱」
20年ぶりに故郷の尾道で撮影し、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で戦争の歴史をたどったドラマ。厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦ほかが共演。
2020年公開予定。
尾道の海辺にある唯一の映画館「瀬戸内キネマ」で「日本の戦争映画大特集」のオールナイト興行を見ていた若者3人がスクリーンの世界にタイムリープし、戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へと時代を駆けめぐる…
今回の訃報は残念でなりません。心よりご冥福をお祈りします。
大林宣彦の監督作で印象に残っているのはどの作品ですか?
