日別アーカイブ: 2014年2月11日

「アメリカン・ハッスル」鑑賞。デヴィッド・O・ラッセル監督ならではの魅力的なややこしい人間関係。

デヴィッド・O・ラッセル監督「アメリカン・ハッスル」鑑賞。
アメリカン・ハッスル
実在の詐欺事件に絡む様々な人々の恋愛模様とややこしい人間関係をコミカルに、テンポよく見せてくれ、デヴィッド・O・ラッセル監督ならではの演出で楽しませてくれます。
クリスチャン・ベイルブラッドリー・クーパーエイミー・アダムスジェニファー・ローレンス、そしてジェレミー・レナーという豪華な共演もさらに楽しませてくれます。

1. デヴィッド・O・ラッセル監督が描く実在の政治スキャンダル”アブスキャム事件”
「ザ・ファイター」、「世界にひとつのプレイブック」のデヴィッド・O・ラッセル監督が米上院議員と5人の下院議員が汚職で有罪となった米国史に残る政治スキャンダル”アブスキャム事件”を映画化。
しかしややこしい人間関係を描くことが得意なデヴィッド・O・ラッセルなだけに、そのスキャンダルに絡んだ複雑な人間関係と大人の恋愛模様に焦点を当てていて、コミカルにテンポよく見せてくれます。
“Hustle”とは「詐欺」、「うまく引っかける」という意味で、タイトル”American Hustle”の通り、まさしくアメリカ流の詐欺、ペテン!!一筋縄ではいきませんっ!!
ただしデヴィッド・O・ラッセルならではのちょっと不思議な展開で、今までの作品同様に賛否両論分かれる作品で、万人向けの作品ではない構成になっていて、またそこがたまりませんっ!!

2. デヴィッド・O・ラッセル監督の常連の豪華絢爛なキャスト陣
天才詐欺師アーヴィング・ローゼンフェルドにはクリスチャン・ベイル、FBI捜査官リッチー・ディマーソにはブラッドリー・クーパー、アーヴィングのパートナー兼愛人のシドニーにはエイミー・アダムス、アーヴィングの妻ロザリンにはジェニファー・ローレンス
American Hustle
クリスチャン・ベイル、エイミー・アダムスは「ザ・ファイター」、ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンスは「世界にひとつのプレイブック」に引き続きの出演で、デヴィッド・O・ラッセル監督作品ならではの一癖も二癖もある役を熱演。
そこにニュージャージー市市長のカーマイン・ボリート役のジェレミー・レナーが新しく加わって、話をさらに華やかにしてくれます。
そしてカメオ出演で「世界にひとつのプレイブック」に出演していたあの大物俳優がそのままズバリの役で登場し、強烈なインパクトを残してくれます。豪華絢爛なキャストです。

3. 大人の恋愛模様とややこしい人間関係
詐欺師のアーヴィングとFBI捜査官のリッチー、そしてアーヴィングの愛人のシドニー。この三人の大人でちょっとややこしい恋愛模様。そこにアーヴィングの妻のロザリンが登場して、話をさらにややこしくし、そこにリッチーと上司の関係に、アーヴィングとマーマイン市長との人間関係にシドニーの恋の行方…”アブスキャム事件”よりもさちらの人間関係の行方が気になってしまいます。
シドニーを演じるエイミー・アダムスは今までにないくらいに魅力的で、そこにロザリン演じるジェニファー・ローレンスが負けないくらいのインパクトを出してくる。二人が出会うパーティのシーンの緊迫した雰囲気はさすがです。第71回ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディ部門の主演女優賞、助演女優賞を受賞するだけの迫力ある演技を見せてくれ、第86回アカデミー賞の発表が楽しみです。
クリスチャン・ベイルも「ダークナイト」シリーズでとは正反対のハゲで太ったアーヴィングを見事演じつつ、クリスチャン・ベイルならではの魅力を見せてくれます。
american hustle academy awards

4. 1970年代を代表する名曲の数々
今回の作品もデヴィッド・O・ラッセル監督ならではの選曲で、1970年代を代表するポップスが使われていて、作品を盛り上げてくれます。
ビージーズの「傷心の日々」、ポール・マッカートニー&ウィングス「死ぬのは奴らだ」、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラヴ」、トム・ジョーンズの「デライラ」、エルトン・ジョンの「黄昏のレンガ路」など。
今回も映画の重要なシーンに流れる名曲の数々がさらに盛り上げてくれます。
amazon.co.jpのMP3のダウンロードのページでは曲がサンプルで聴けますので、ぜひともチェックしてみてください。

デヴィッド・O・ラッセル監督ならではの魅力の詰まった作品ですが、デヴィッド・O・ラッセル監督の作品はどれもアメリカならではのコメディで、その流れに乗れるのかどうかで賛否両論分かれてしまい、万人向けではないですが、好きになれば、そこがまたデヴィッド・O・ラッセル監督の魅力です。
デヴィッド・O・ラッセル監督が次はどんなストーリーを見せてくれるのか、今から楽しみです。

「アメリカン・ハッスル」公式サイト

ダスティン・ホフマン主演でウィルスの恐怖を描いた「アウトブレイク」、テレビ東京で12日(木)放送。

ダスティン・ホフマン主演でウィルスの恐怖を描いた「アウトブレイク」、テレビ東京で2月12日(木)放送。
アウトブレイク
ウィルスの恐怖とそれに立ち向かう人々の姿を描いたパニック・スリラー「アウトブレイク」(原題 Outbreak)
1995年4月29日(土)に公開され、配収13億円のヒット。
一匹のサルが持ち込んだウィルスにより全米が滅亡の危機にさらされていく恐怖を描く…

アフリカのザイールで発生した謎の伝染病のため死んでいく無数の住民たち。現地調査に赴いたアメリカ軍医学研究所のリーダー、サム・ダニエルズは軍に警戒態勢を進言するが却下されてしまう。
しかし同じ症状の患者がカリフォルニアに出現し、爆発的な速度で蔓廷する殺人ウイルスは一気に全米をパニックに陥れる。このウイルスはエボラ出血熱をも上回る致死性を持ち、ひとたび感染すれば助かる道はない。軍は最終手段として感染した街ごと焼きつくそうと画策する…

ウィルス学者のサム・ダニエルズ大佐にはダスティン・ホフマン
レネ・ルッソモーガン・フリーマンキューバ・グッディング・Jr、パトリック・デンプシー、ドナルド・サザーランド、ケビン・スペイシーほかが共演。
「エアフォース・ワン」、「トロイ」のウォルフガング・ペーターゼンが監督

現実に起こりうるウィルスの恐怖。骨太で硬派な内容なのに退屈にさせないストーリー。
ウィルス・パニック映画の傑作です。

★「アウトブレイク」(二ヶ国語)
テレビ東京 午後のロードショー
2月12日(木)
13:25~15:25

実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ「大統領の執事の涙」、見たいですか?

実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにリー・ダニエルズ監督フォレスト・ウィテカー主演で映画化したドラマ「大統領の執事の涙」(原題 The Butler)、2月15日(土)公開。
大統領の執事の涙
ホワイトハウスで7人の大統領に仕えた、一人の黒人執事の”知られざる”人生を辿る物語。
見たいですか?

綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズ。ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜擢される。アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の7人の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにする。その一方で、白人に仕える父の仕事を恥じ、反政府運動に身を投じる長男との衝突、ベトナム戦争へ志願する次男など、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる…

「プレシャス」、「ペーパーボーイ 真夏の引力」のリー・ダニエルズ監督が実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにフォレスト・ウィテカー主演で映画化。
歴代7人の大統領の執事として仕えるセシル・ゲインズにはフォレスト・ウィテカー
1988年の「バード」でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞、2006年の「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でウガンダの独裁者イディ・アミンを演じ、第79回アカデミー賞、第64回ゴールデン・グローブ賞など各映画賞で主演男優賞を受賞。
オプラ・ウィンフリージョン・キューザックジェーン・フォンダキューバ・グッティング・Jrテレンス・ハワードレニー・クラヴィッツジェームズ・マースデンほかが共演。
the butler
全米では2013年8月13日(金)に公開され、3週連続No.1、興収1.3億ドルを超えるスマッシュ・ヒットを挙げ、評判もかなりいいようです。第86回アカデミー賞ではノミネートされることなく、残念な結果に。
「プレシャス」のリー・ダニエルズ監督がォレスト・ウィテカー主演でどんな物語を見せてくれるのか、楽しみです。

「大統領の執事の涙」公式サイト