デヴィッド・O・ラッセル監督「アメリカン・ハッスル」鑑賞。
実在の詐欺事件に絡む様々な人々の恋愛模様とややこしい人間関係をコミカルに、テンポよく見せてくれ、デヴィッド・O・ラッセル監督ならではの演出で楽しませてくれます。
クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、そしてジェレミー・レナーという豪華な共演もさらに楽しませてくれます。
1. デヴィッド・O・ラッセル監督が描く実在の政治スキャンダル”アブスキャム事件”
「ザ・ファイター」、「世界にひとつのプレイブック」のデヴィッド・O・ラッセル監督が米上院議員と5人の下院議員が汚職で有罪となった米国史に残る政治スキャンダル”アブスキャム事件”を映画化。
しかしややこしい人間関係を描くことが得意なデヴィッド・O・ラッセルなだけに、そのスキャンダルに絡んだ複雑な人間関係と大人の恋愛模様に焦点を当てていて、コミカルにテンポよく見せてくれます。
“Hustle”とは「詐欺」、「うまく引っかける」という意味で、タイトル”American Hustle”の通り、まさしくアメリカ流の詐欺、ペテン!!一筋縄ではいきませんっ!!
ただしデヴィッド・O・ラッセルならではのちょっと不思議な展開で、今までの作品同様に賛否両論分かれる作品で、万人向けの作品ではない構成になっていて、またそこがたまりませんっ!!
2. デヴィッド・O・ラッセル監督の常連の豪華絢爛なキャスト陣
天才詐欺師アーヴィング・ローゼンフェルドにはクリスチャン・ベイル、FBI捜査官リッチー・ディマーソにはブラッドリー・クーパー、アーヴィングのパートナー兼愛人のシドニーにはエイミー・アダムス、アーヴィングの妻ロザリンにはジェニファー・ローレンス。
クリスチャン・ベイル、エイミー・アダムスは「ザ・ファイター」、ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンスは「世界にひとつのプレイブック」に引き続きの出演で、デヴィッド・O・ラッセル監督作品ならではの一癖も二癖もある役を熱演。
そこにニュージャージー市市長のカーマイン・ボリート役のジェレミー・レナーが新しく加わって、話をさらに華やかにしてくれます。
そしてカメオ出演で「世界にひとつのプレイブック」に出演していたあの大物俳優がそのままズバリの役で登場し、強烈なインパクトを残してくれます。豪華絢爛なキャストです。
3. 大人の恋愛模様とややこしい人間関係
詐欺師のアーヴィングとFBI捜査官のリッチー、そしてアーヴィングの愛人のシドニー。この三人の大人でちょっとややこしい恋愛模様。そこにアーヴィングの妻のロザリンが登場して、話をさらにややこしくし、そこにリッチーと上司の関係に、アーヴィングとマーマイン市長との人間関係にシドニーの恋の行方…”アブスキャム事件”よりもさちらの人間関係の行方が気になってしまいます。
シドニーを演じるエイミー・アダムスは今までにないくらいに魅力的で、そこにロザリン演じるジェニファー・ローレンスが負けないくらいのインパクトを出してくる。二人が出会うパーティのシーンの緊迫した雰囲気はさすがです。第71回ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディ部門の主演女優賞、助演女優賞を受賞するだけの迫力ある演技を見せてくれ、第86回アカデミー賞の発表が楽しみです。
クリスチャン・ベイルも「ダークナイト」シリーズでとは正反対のハゲで太ったアーヴィングを見事演じつつ、クリスチャン・ベイルならではの魅力を見せてくれます。
4. 1970年代を代表する名曲の数々
今回の作品もデヴィッド・O・ラッセル監督ならではの選曲で、1970年代を代表するポップスが使われていて、作品を盛り上げてくれます。
ビージーズの「傷心の日々」、ポール・マッカートニー&ウィングス「死ぬのは奴らだ」、ドナ・サマーの「アイ・フィール・ラヴ」、トム・ジョーンズの「デライラ」、エルトン・ジョンの「黄昏のレンガ路」など。
今回も映画の重要なシーンに流れる名曲の数々がさらに盛り上げてくれます。
amazon.co.jpのMP3のダウンロードのページでは曲がサンプルで聴けますので、ぜひともチェックしてみてください。
デヴィッド・O・ラッセル監督ならではの魅力の詰まった作品ですが、デヴィッド・O・ラッセル監督の作品はどれもアメリカならではのコメディで、その流れに乗れるのかどうかで賛否両論分かれてしまい、万人向けではないですが、好きになれば、そこがまたデヴィッド・O・ラッセル監督の魅力です。
デヴィッド・O・ラッセル監督が次はどんなストーリーを見せてくれるのか、今から楽しみです。