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「地獄でなぜ悪い」鑑賞。園子温らしいちょっと過剰な映画愛にあふれた任侠映画

園子温監督「地獄でなぜ悪い」鑑賞。
地獄でなぜ悪い02
映画愛にあふれた任侠映画を園子温らしいちょっと過剰な描写がたっぷりの映像で描いていて、思いっきり楽しめる作品です。國村隼、堤真一、二階堂ふみ、星野源、長谷川博巳ほかの演技が光っています。

1. 園子温が描く映画逢いにあふれた任侠映画
園子温が、十数年前から温めてきた企画を実写化しているだけあって、園子温らしいちょっと過剰な描写がたっぷり。
オープニングから昔懐かしいヤクザ映画風の展開で、様々なヤクザ映画へのオマージュがかなり描かれていて、ニヤリとさせてくれます。
さらにそのヤクザ映画に映画への愛の要素をたっぷりに描いていて、ちょっと無理があるような展開を強引に最後まで飽きることなく、見せてくれます。
ラストの殴りこみのシーンは過激すぎるくらいの過剰な描写ながら、笑いを誘うというちょっと不思議な体験ができます。

2. 國村隼、堤真一の二人のヤクザの対立と二階堂ふみの妖艶な魅力
極道・武藤組の組長・武藤大三には國村隼。ヤクザの組長のドスの利いたすごみをみせつつも、妻へと娘へは過剰な愛情を注ぎ、妻の夢であるまな娘のミツコの映画デビューを叶えるために映画製作を無理やり進めていく…
地獄でなぜ悪い
武蔵組と対立する池上組の組長で、ミツコに恋する池上純には堤真一。堤真一らしく、ヤクザのドスを利かせる顔を見せつつも、コミカルさな顔も見せてくれます。
この二人でなかったら、ここまで面白い展開はなかったのでは。
武蔵大三の娘のミツコには二階堂ふみ。ヤクザの組長の娘ならではの迫力と妖艶な魅力を見せてくれ、クレイジーな世界の中でも光輝いていて、國村隼、堤真一に負けず劣らずの存在感を見せてくれ、今までの作品とは違った魅力を披露してくれ、これからのさらなる活躍が楽しみです。

3. 映画マニアを演じる長谷川博巳のぶっ飛んだ演技と星野源ならではの演技と歌声
映画マニアの平田純には長谷川博巳。とにかく映画製作に尋常ではない愛情を込める平田を熱演。振り切った以上にぶっ飛んだ演技を見せてくれ、殴りこみを映画にするという無理くりな企画を実現させてしまう異常なパワーを発揮します。
そして通りすがりにミツコに出会い、様々な事件に巻き込まれる橋本公次には星野源。ごくごく普通の男を冴えなくて、情けないにも関わらず、どこか愛着を感じさせるのは星野源ならではです。
またエンディングで流れる主題歌「時刻でなぜ悪い」も星野源ならでは歌声とメロディで、この作品の締めくくりにふさわしい歌になっています。

とにかく過剰で過激で、ちょっと無理のある展開だらけですが、オープニングから世界に引き込まれてしまい、130分があっという間です。
この作品は大音響で、大スクリーンで楽しむのが一番です。

「地獄でなぜ悪い」公式サイト

「風立ちぬ」鑑賞。宮崎駿が描く空への憧れと大人の恋物語。最高傑作と思える作品です。

宮崎駿監督の「風立ちぬ」鑑賞。
風立ちぬ
宮崎駿が描く空への憧れと大人の恋物語。宮崎駿監督の最高傑作ではないかと思えるくらいの作品で、深く感動させられました。久石譲の優しい調べと荒井由美の「ひこうき雲」がさらに感動を誘います。

1. 宮崎駿監督が描く空への憧れ
ゼロ戦設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描いた「風立ちぬ」。
風立ちぬ
美しい飛行機作りに熱中する堀越二郎。夢に出てくる飛行機が飛ぶ姿や実際に飛行機が飛ぶシーンを見ていると宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」、「紅の豚」など今までの作品の空を飛翔するシーンを彷彿させ、ワクワクさせてくれつつ、実際の飛行機の設計に熱中する現実世界をうまく結びつけていて、堀越二郎の空へ憧れる気持ちが熱く伝わってきます。

2. スタジオジブリ作品初の大人の恋物語
イタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、美しい飛行機を作ることを夢見る堀越二郎
そんなある日に関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子と再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう…
ひこうき雲
堀越二郎と菜穂子が初めて出会う汽車でのシーンや再会するシーンでは今までの作品のヒーローとヒロインの出会いを彷彿させるファンタジックな展開をしつつ、二人が恋に落ちていくシーンではスタジオジフリ初の大人の恋物語に仕上げてくれています。

3. 舞台は大正から昭和にかけての閉塞感に覆われた日本
閉塞感に覆われた日本を宮崎駿監督ならではの感覚で表現していて、ストーリーも説明的にならずに淡々と見せてくれて、その手法がかえって、心に刺さってきます。
風立ちぬ03
関東大震災のシーンではリアルさを追求せずに見せているだけにかえって、その大震災の怖さを浮立たせてくれます。街中が火事に覆われるシーンを見ていると「風の谷のナウシカ」の巨神兵が街を暴れて、破壊していくようで、さらに怖さを引き立ててくれます。

4. 久石譲の優しい調べと荒井由美の「ひこうき雲」
今までの宮崎駿監督作品と同じく、音楽は久石譲。久石譲ならではの優しい調べと覚えやすいテーマ曲が何度も何度も流れてきて、心地よくさせてくれます。飛行機が空を飛ぶシーンがさらに光り輝くのはこのテーマ曲の優しさがあるからです。
そしてエンドクレジットで流れる荒井由美の「ひこうき雲」。今まで予告編で何度も聞いていた曲のはずなのに、この作品のエンドからつながって流れてくる「ひこうき雲」。
メロディと歌詞が作品のエンドにふさわしく、感動をさらに深くしてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=-Q6pStcvr4U
この「風立ちぬ」は賛否両論が両極端に分かれているようですが、自分にとっては宮崎駿監督の最高傑作ではないかと思えるくらいの作品で、いろいろと深く考えさせられ、感動させられました。
宮崎駿監督がなぜこの作品を作ろうと思ったのか。空への憧れとその果てに見える厳しい現実。堀越二郎と菜穂子の大人の恋物語。
“風立ちぬ、いざ行きめやも”の言葉の持つ意味も深く、感慨深い思いにさせてくれます。
ただし堀越二郎と堀辰雄をモデルにしつつも完全に寓話に仕立てている点と堀越二郎の声を演じる庵野秀明にはかなり疑問でした。
庵野秀明の声は途中からは違和感がなくなりつつも、最後までなじまなくて、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、竹下景子と比べると実力が歴然としているのがさらにわかってしまい、そこが残念な点です。
大きなスクリーンでじっくり味わいたい作品で、何度見ても新しい発見がありそうです。

「風立ちぬ」公式サイト

「中学生円山」鑑賞。クドカンワールド全開、思春期のおバカな男子中学生の妄想の世界はぶっ飛んでます

宮藤官九郎が監督・脚本「中学生円山」鑑賞。
中学生円山
クドカンワールド全開で、思春期のちょっとおバカな男子中学生の妄想の世界はあまりにぶっ飛んでいて、笑えます。じぇじぇじぇな展開だらけで、ちょっと癖になる、そんな作品です。

1. 宮藤官九郎が監督・脚本のクドカンワールド全開の妄想世界!!
NHK連続テレビ小説「あまちゃん」が大人気の宮藤官九郎の最新作はおバカな男子中学生の妄想と青春を行き交うコメディ。
「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本や、「真夜中の弥次さん喜多さん」「少年メリケンサック」では映画監督まで努めて、独特でちょっとやりすぎ感もあるクドカンワールドを見せてくれましたが、今回はさらにクドカンワールドが全開!!
真夜中の弥次さん喜多さん
おバカな男子中学生が思い描く妄想ワールドにはよくそんなことを思いつくなあと感心させられるくらいぶっ飛んでいて、笑わせてくれます。
妄想の世界も時代劇、ウエスタン、ヒーローアクション、そして韓流ドラマなど様々な世界が展開。
「妄想する。神が人類のみに与えたおまけみたいな力。」で始まるナレーションと主人公の心の声を代弁するナレーター。
何も考えずに妄想の世界だからと、クドカンワールドに入り込めれば、思いっきり楽しめる作品です。

2. おバカな男子中学生を演じる平岡拓真を初めとした出演陣
思春期を迎えたおバカな男子中学生・円山克也には平岡拓真。「おひさま」、「平清盛」からその演技には注目していて、「11人もいる!」ではこの作品に相通じるちょっとおバカな役をやっていただけに、今回もそのおとぼけぶりは全開。彼が演じていればこそ、さらに楽しめます。
謎のシングルファーザーの下井辰夫にはSMAPの草薙剛。この役もちょっとぶっ飛んでいて、草薙剛らしさが出ています。
中学生円山02
克也の両親には仲村トオル坂井真紀。今までにないくらい二人のオーラを消していて、ごく普通でダメダメなお父さんぶりと韓流ドラマにはまったダメな母親ぶりを見せてくれますが、妄想世界でヒーローになったときには全く違った二人を発揮してくれます。
また近所のボケた井上のおじいにはミュージシャンの遠藤賢司。よくわからないうちによくわからないことをしまくって、歌も歌って、さらには。もうぶっ飛んでます。「息もできない」のヤン・イクチュンも出演。母親との韓流ドラマ風な展開にも笑えます。

見終わった後にはテーマ曲のメロディと「まるやーま♪」、「ウンババ、ウンバ♪」のリズムがエンドレスで流れて、もう一度見たくなります。じぇじぇじぇなクドカンワールドはやっぱり最高、侮れません。

「中学生円山」公式サイト

「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」鑑賞。 前作の雰囲気はそのままに、さらにパワーアップ

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ブログの管理人の植木です。私がやっているネットワーク・ビジネスのWebサイトを作成しました。アップルの創業者が社長の会社です。 ファイトケミカル(植物栄養素)で自然治癒力、自己免疫力がUP。eXfuzeで人生を変えませんか!?

大泉洋松田龍平主演のシリーズ第2弾「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」鑑賞。
探偵はBARにいる2
前作の持つ雰囲気はそのままにコミカルさもさらにパワーアップ!!意気もさらに合った大泉洋松田龍平のコンビに今回は尾野真千子ゴリが加わって、さらにコミカルさもアクションも楽しめる作品です。

1. 札幌・ススキノを舞台に繰り広げられる大泉洋と松田龍平のコンビ
札幌・ススキノでヤバい仕事で日銭を稼ぐ毎日を送る探偵の「俺」と相棒兼運転手の高田。
前作で見せた意気の合ったコンビぶりはさらにパワーアップ。
探偵の「俺」を演じる大泉洋は大泉洋節全開でしゃべりまくりつつコミカルさを見せてくれ、アクションにもさらに磨きがかかっていて、探偵の「俺」が大泉洋に同化してしまった感じです。
相棒兼運転手の高田を演じる松田龍平もひょうひょうとして、ちょっとタイミングは悪いけれども、「俺」を助ける頼もしさは健在。松田龍平は「舟を編む」では全然違った印象を見せてくれていただけに、今後の彼の活躍には注目です。
この二人のコンビはシリーズとして定着してほしいですね。

2. 今回新しく尾野真千子、ゴリ、渡部篤郎が加わり、さらにパワーアップ
美人ヴァイオリニストの由美子には尾野真千子、マサコちゃんにはゴリ、カリスマ政治家・橡脇には渡部篤郎と個性的な共演陣が今回新しく参加。
探偵はBARにいる2_02
尾野真千子は美人ヴァイオリニストでありながら、関西弁をまくしたて、凶暴性もたまに見せるというギャップを見せてくれ、「カーネーション」や「最高の離婚」でも見せてくれた尾野真千子の魅力が全開。今後の活躍に期待したいです。
オカマのマサコちゃんを演じるのはゴリ。あの風貌でのオカマぶりはちょっと笑えますが、印象的な役を演じてくれています。
カリスマ政治家・橡脇には渡部篤郎。出番はあまり多くはないですが、彼が出てくるだけで、場面が引き締まります。
新聞記者役の田口トモロヲ、ヤクザの松重豊波岡一喜は前作に引き続き登場。すっかりその役が板についた印象です。

3. 「相棒」シリーズの橋本一が監督、古沢良太が脚本
前作に引き続き、橋本一が監督、古沢良太が脚本なだけに、前作の持つ雰囲気はそのままに新しい要素を加えて、さらにパワーアップ。
探偵はBARにいる
札幌を中心に、今回は室蘭でも繰り広げられるアクションとドラマ。
魅力あふれるシーンを見ていると札幌ライフを楽しみたくなります。

この二人のコンビはシリーズとして定着してほしいですね。

「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」公式サイト

岡田准一、榮倉奈々共演の「図書館戦争」鑑賞。図書館にもう一度行ってみたい気にさせてくれます。

岡田准一榮倉奈々共演の「図書館戦争」鑑賞。
図書館戦争
本を守るために必死に戦う図書隊の姿や図書隊が勤務する図書館を見ていると、図書館にもう一度行ってみたい気にさせてくれます。岡田准一、榮倉奈々のツンデレ関係はちょっと気恥ずかしくなるかくらいです。

1. 有川浩の代表作を「GANTZ」シリーズの佐藤信介が実写映画化
「フリーター、家を買う」、「阪急電車」などのベストセラー作家の有川浩「図書館戦争」シリーズは2006年に発売され、全4巻で構成、300万部を突破する大ベストセラーに。
漫画版が2007年にスタートし、2008年にはアニメ化。
そして2013年に「砂時計」、「GANTZ」シリーズの佐藤信介が実写映画化。
原作は未読ですが、国家によるメディアの検閲が正当化されている近未来の日本での図書隊とメディア良化委員会との戦いを「GANTZ」シリーズの佐藤信介らしい映像で楽しませてくれます。
本を守るために必死に戦う図書隊の姿や笠原郁が勤務する図書館を見ていると、図書館にもう一度行ってみたい気にさせてくれます。
国家によるメディアの検閲。あくまでも映画の世界での出来事ですが、このことが現実に起きて、好きな本を読む自由が奪われたら、国によりメディアが検閲されたら、どうなるのか。ちょっと怖くなります。
http://www.youtube.com/watch?v=UJpZfBH5M2k

2. 岡田准一、榮倉奈々の共演
榮倉奈々が”図書隊”の隊員にかつて助けてもらい、女性で初めて図書特殊部隊に配属された笠原郁を熱演。今までとはちょっと違った活発な男勝りだけども、助けてくれた”図書隊”の隊員に憧れる乙女心を開けっぴろげに演じてくれます。
図書館戦争03
担当教官・堂上篤には岡田准一。ちょっと融通の効かない担当教官を演じていて、「SP」のころよりもさらに大人に成長したことを実感します。
二人のツンデレな関係は見ていて、ちょっと気恥ずかしくなるくらいですが、コミカルで楽しめます。

3. 田中圭、福士蒼汰、橋本じゅんほか個性的な共演陣
堂上の同期の小牧を演じるのは田中圭。いつものほんわかした感じで、堂上を見守りつつ、無理をしている堂上を冷やかしたり、楽しませてくれます。
図書隊の隊長の玄田には橋本じゅん。ちょっと変わった役を演じることが多かっただけに、今回の熱血隊長ぶりには思わず笑ってしまいます。
図書館戦争02
笠原の同期の手塚には福士蒼汰。笠原にライバル意識を剥きだしつつ、エリートな役を演じていて、「仮面ライダーフォーゼ」のころよりさらなる成長を感じます。
ほかにも西田尚美栗山千明石坂浩二ほかが共演していて、笠原と堂上の二人を見守ってくれます。

有川浩の原作ではここ最近ではこの「図書館戦争」「県庁おもてなし課」が映画化、「空飛ぶ広報室」がTVドラマ化されていて、彼女のポテンシャルの高さをつくづく感じてしまい、他の小説も読んでみたくなりました。
また「図書館戦争」の小説や漫画版、アニメ版も見てみようかな、と思ったりしました。

「図書館戦争」公式サイト

「藁の楯 わらのたて」鑑賞。三池崇史らしい映像で、緊迫感あふれるアクションが次々に展開。

三池崇史監督の「藁の楯 わらのたて」鑑賞。
藁の楯02
10億円のためにどんな行動を起こすのか!?疑問を投げかけながら、三池崇史らしい映像で、緊迫感あふれるアクションが次々に展開して、飽きることのない125分です。
徹底して守ろうとする警備部SPを演じる大沢たかお松嶋菜々子。犯人を演じる藤原竜也。この3人の共演がドラマをさらに深く見せてくれます。

1. 10億円のターゲットが目の前に現れたら、どんな行動を起こすのか!?
「十三人の刺客」、「悪の教典」の三池崇史監督が木内一裕の傑作警察小説を映画化。
10億円のために清丸を狙う人々。そして身を呈して清丸を守ろうとする精鋭5人。なぜ10億円のために狙うのか?身を呈してまで清丸は守る価値があるのか?疑問を投げかけてきます。
三池崇史らしい映像で、緊迫感あふれるアクションが次々に展開して、飽きることのない125分です。

2. 大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也ほか豪華俳優陣が共演
犯人の清丸を警視庁まで移送させる任務を命じられる警視庁警備部SP、捜査一課の5人。
警視庁警備部SPの銘苅一基には大沢たかお、白岩篤子には松嶋菜々子
警視庁の捜査第一課の奥村には岸谷五朗、神箸には永山絢斗。福岡県警の捜査第一課の関谷には伊武雅刀
それぞれの思惑を抱えながら清丸を移送する。任務のために徹底して守り通そうとする警備部SPの銘苅と白岩。
捜査第一課の三人も任務を守ろうとしながらも、それぞれ疑心暗鬼に駆られてくる…そんなドロドロした人間関係を5人が共演することでさらに面白く見せてくれます。
藁の楯
殺人犯の清丸国秀には藤原竜也。殺人犯の清丸は実を呈してまでも守る価値があるのか!?さらにそう思わせるような藤原竜也の演技。
孫娘を殺されたからといって、10億円で犯人を殺害しようとする蜷川をさらに不気味に演じる山崎努
一体どこに正義があるのか!?

新幹線のシーンや新神戸駅の描写など細かい点では疑問に残る点がありますが、10億円を目の前にしたときに取る人々の行動。
自分だったら、一体どんな行動を取るのか、考えてしまいます。

「藁の楯 わらのたて」公式サイト

「舟を編む」鑑賞。 石井裕也監督ならではの独特なテンポと映像で辞書編纂を見せてくれます

石井裕也監督「舟を編む」鑑賞。
舟を編む02
辞書編纂というちょっと地味なテーマを石井裕也監督ならではの独特なテンポと映像で、面白おかしく見せてくれつつ、辞書編纂に携わる人々の情熱を熱く見せてくれます。松田龍平は今までの役とは全く違って、とことんマジメで不器用な役を真摯に愛嬌たっぷりに演じてくれています。

1. 2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を石井裕也監督が映画化
2012年本屋大賞に輝いた発行部数30万部突破の最新作を「川の底からこんにちは」、「ハラがコレなんで」の石井裕也が映画化。
舟を編む03
「舟を編む」とは、辞書を言葉の海を渡る舟に見立てた表現で、本作では辞書という舟を編集する人々の姿を描いていて、辞書が完成するまでの15年におよぶ月日の経過を石井裕也監督の独特なテンポと映像で、面白おかしく見せてくれつつ、辞書編纂に携わる人々の情熱を熱く見せてくれます。
馴染みのある言葉、耳には聞いたことがある言葉、聞いたことのない言葉など日本語の言葉の持つ意味を改めて考えさせられましたし、これからはもっと気をつけて言葉の意味を考えたくなります。

2. 辞書編纂に情熱を注ぐ馬締光也を演じる松田龍平の名演技
馬締光也を演じるのは「まほろ駅前多田便利軒」、「探偵はBARにいる」の松田龍平
舟を編む_松田龍平
「まほろ駅前多田便利軒」、「探偵はBARにいる」とは全く違って、とことんマジメで不器用な辞書編集者の馬締光也を真摯に愛嬌たっぷりに演じてくれています。
周りの仲間に見守られつつ、徐々に成長していく馬締光也が光り輝いて見えたのは松田龍平ならではです。

3. 馬締光也を見守る周りの人々
馬締光也が一目ぼれする下宿先の大家の孫娘で板前見習いの林香具矢には宮崎あおい。ちょっと不思議な雰囲気の林香具矢をさらに不思議に演じてくれつつ、辞書編纂に没頭する馬締光也を見守ってくれます。
舟を編む_場面01
また同じ編集部の「ダサい」西岡を演じるのはオダギリジョー。オダギリジョーならではの軽さと熱さを見せてくれ、馬締光也をさらに輝かせてくれます。西岡がいたからこそ馬締光也が辞書編纂に没頭できたというのが実感です。
辞書編纂に人生をささげる研究者・松本には加藤剛、ベテラン編集者・荒木公平には小林薫、事務担当の佐々木を演じる伊佐山ひろ子
下宿先の大家のタキには渡辺美佐子
馬締光也を見守る人々の優しさと厳しさ、情熱が馬締光也をさらに成長させてくれ、このような仲間に恵まれたいと思ってしまいます。

松田龍平がとことんマジメで不器用な辞書編集者の馬締光也を真摯に愛嬌たっぷりに演じてくれています。
また馬締光也を見守る人々の優しさと厳しさ、情熱が馬締光也をさらに成長させてくれます。
この映画は終始ニコニコして見ることができて、見終わった後は辞書や日本語の言葉の持つ意味を大切にしなくてはいけない、と改めて感じさせられました。
石井裕也監督の今後にはさらに注目です。

「舟を編む」公式サイト