2018年第92回キネマ旬報ベスト・テン。外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?

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2018年第92回キネマ旬報ベスト・テン外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?

1位はマーティン・マクドナー監督「スリー・ビルボード」。2位はスティーヴン・スピルバーグ監督「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」。続いてギレルモ・デル・トロ監督「シェイプ・オブ・ウォーター」、ダニエル・デイ=ルイス主演「ファンタトム・スレッド」、ラミ・マレック主演「ボヘミアン・ラプソディ」、クリント・イーストウッド監督「15時17分、パリ行き」…どの作品を見ましたか?

外国映画ベスト・テンは次の通りです。
1位「スリー・ビルボード」(原題 Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)

マーティン・マクドナー監督フランシス・マクドーマンド主演で描いたクライム・サスペンス。
2018年2月1日(木)に公開され、興収3.4億円。
娘を殺害された主婦のミルドレッドが警察を批判する看板を設置したことから予期せぬ事件が巻き起こる…
第90回アカデミー賞でフランシス・マクドーマンドが主演女優賞、サム・ロックウェルが助演男優賞の2部門、第75回ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門の作品賞、女優賞、脚本賞、サム・ロックウェルが助演男優賞の4部門、第74回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞第42回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。
大切なものを守るために行った主婦のミルドレッドの行動。何が正しいことなのか、差別とはどういうことなのか、赤く輝く3枚の広告看板が投げかけてきます。

2位「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」(原題 The Post)

スティーヴン・スピルバーグ監督メリル・ストリープトム・ハンクス共演で国防省の最高機密文書を題材に描いた社会派ドラマ
2018年3月30日(金)に公開され、興収6.2億円。
ベトナム戦争が泥沼化する1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべくジャーナリストたちが奔走する…
報道に対する政府の圧力、そしてジャーナリストたちの抵抗。スティーヴン・スピルバーグ監督が「今、撮るべき作品」として撮影を敢行した渾身の一作。サスペンス満点で緊張感あふれる展開。今だからこそさらに考えさせられます。

3位「シェイプ・オブ・ウォーター」(原題 The Shape of Water)

ギレルモ・デル・トロ監督サリー・ホーキンス主演で描いた種族を超えた愛を描いたファンタジー・ロマンス。
2018年3月1日(木)に公開され、興収7.6億円。
冷戦時代のアメリカを舞台に政府の極秘研究所に勤めるイライザが秘かに運び込まれた不思議な生きものに出会い、惹かれていく…
第90回アカデミー賞で作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4部門、第75回ゴールデン・グローブ賞で監督賞、作曲賞の2部門、第74回ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞。
様々な陰謀や差別がうごめく中で繰り広げられる、種族を超えたラブ・ストーリー。独特の映像と世界観で描かれたギレルモ・デル・トロ監督版”美女と野獣”。雨降る中の運河でのラストシーンも印象的でした。

4位「ファントム・スレッド」(原題 Phantom Thread)

ポール・トーマス・アンダーソン監督ダニエル・デイ=ルイス主演で1950年代ロンドンのファッション業界を描いたドラマ。
2018年5月26日(土)公開。
1950年代のロンドンでオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコックが若きウェイトレスのアルマと魅惑的な美の世界で恋に落ちていく…
第90回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞。
静かな狂気を秘めた愛の駆け引き、こだわり抜かれた映像美、息を呑むほどのエレガントなファッションとともに描かれるダニエル・デイ=ルイスの迫真の演技が楽しめます。

5位「ボヘミアン・ラプソディ」(原題 Bohemian Rhapsody)

伝説的ロックバンドの”クイーン”のフレディ・マーキュリーの軌跡を描いた伝記映画。ラミ・マレック主演、ブライアン・シンガーが監督。
2018年11月9日(金)に公開され、興収119.1億円突破。
1991年にこの世を去ったフレディ・マーキュリーがいかに世間の固定観念や従来の音楽を打ち破り、”史上最高のエンタテイナー”と呼ばれるに至ったのか…
第91回アカデミー賞でラミ・マレックが主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞の4部門、第76回ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門の作品賞、ラミ・マレックが男優賞の2部門受賞。
「ボヘミアン・ラプソディ」、「伝説のチャンピオン」、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」など32の名曲とともに繰り広げられる”クイーン”の華やかな活躍の裏にある知られざるストーリー。「ライヴ・エイド」でクイーンが歌うシーンでは感動もMAXです。

6位「15時17分、パリ行き」(原題 The 15:17 to Paris)

クリント・イーストウッド監督スペンサー・ストーンほか実際の事件に巻き込まれた本人出演で”タリス銃乱射事件”を描いた社会派ドラマ。
2018年3月1日(木)に公開され、興収5.3億円。
イスラム過激派の武装した男が列車内で無差別テロを企てる中、犯人へ勇敢に立ち向かった3人の若きアメリカ人の実話を描く…
無差別テロを未然に防いだ3人の若者の友情の物語。主演3人をスペンサー・ストーンら自身が演じ、徹底的にこだわったリアリズムには唸らされます。

7位「顔たち、ところどころ」(原題 Visages Villages)

フランス映画界の名匠アニエス・ヴェルダと若手アーティストのJRが共同監督を務めたロードムービー・スタイルのドキュメンタリー。
2018年9月15日(土)公開。
フランス映画界の名匠アニエス・ヴェルダ監督と若きアーティストのJRの世代の違う二人が、フランスの田舎で暮らす人々と触れ合いながら作品を作り上げていく…
第70回カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞。
87歳になる女性映画監督と33歳の男性現代アーティスト。この2人が人々の顔写真を撮影し大きく引き伸ばして壁に貼り出すプロジェクトををひたすら描いていて、二人のいる空間を一緒に楽しみたくなります。

8位「1987、ある闘いの真実」(原題 1987: When the Day Comes)

チャン・ジュナン監督キム・ユンソクハ・ジョンウ共演で韓国民主化闘争の実話を描いた社会派ドラマ。
2018年9月8日(土)公開。
1987年の軍事政権下の韓国で警察で取り調べを受けた1人の大学生の死をきっかけに、韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく…
を徹底的なリサーチと細部にこだわる考証で描かれた一人の青年の”不可解な死”を発端とした実在の民主化闘争。圧倒的パワーを感じます。

9位「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」(原題 In Jackson Heights)

フレデリック・ワイズマンが監督・録音・編集・製作を手掛け、様々なマイノリティが集まるニューヨークの下町ジャクソンハイツを描いたドキュメンタリー。
2018年10月20日(土)公開。
ニューヨークのクイーンズ地区にある町、ジャクソンハイツで世界中からやってきた移民たちの教会やモスク、シナゴーク、集会などを通してジャクソンハイツという「町」を描きだす…
ニューヨークとは何か、アメリカとは何かといった問いを投げかけてきます。

10位「判決、ふたつの希望」(原題 In Jackson Heights)

ジアド・ドゥエイリ監督カメル・エル・バシャアデル・カラム共演でキリスト教徒のレバノン人男性とパレスチナ難民男性の衝突を描いたドラマ。
2018年8月31日(金)公開。
レバノンの首都ベイルートでパレスチナ人のヤーセル・サラーメとキリスト教徒のレバノン人トニー・ハンナがアパートの水漏れをめぐる口論から始まった対立が裁判に発展し、やがて全国に知れ渡っていく…
第74回ヴェネチア映画祭でカメル・エル・バシャが最優秀男優賞を受賞。
万国共通の”今そこにある問題”を提起しながら、それぞれの尊厳や赦しといった普遍的なテーマを追求し、心を深く揺さぶってきます。

外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?



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