6月17日は原節子の誕生日。出演作でどの作品が好きですか?
原節子は1920年6月17日に神奈川県橘樹郡保土ヶ谷町(現・横浜市)で生まれました。
1935年「ためらふ勿れ若人よ」で映画デビュー。黒澤明監督「わが青春に悔なし」、今井正監督「青い山脈」、小津安二郎監督「麦秋」、「東京物語」、「秋日和」、成瀬巳喜男監督「山の音」などに出演してきました。
原節子の主な出演作品は次の通りです。
★「わが青春に悔なし」
黒澤明監督が藤田進共演で京大の滝川事件やゾルゲ事件をモチーフに描いたドラマ。
1946年10月29日(土)公開。
戦争中に敵のスパイとして逮捕された幸枝は、後に獄死するジャーナリストと愛し合い、結婚し、彼の死後もたくましく生きていく…
原節子は京都帝大教授の娘の八木原幸枝を熱演。
黒澤明監督作品では珍しく女性が主人公ながら、自立した強く清々しいヒロインの生き方は現代にも充分通じ共感を呼びます。
★「青い山脈」
石坂洋次郎の小説を今井正が監督・脚本、杉葉子、池部良共演で映画化した青春ドラマ。
1949年7月19日(土)公開。
地方の高校生の寺沢新子のもとに偽ラブレターが届いたことで町全体が大騒動に発展。新子は信頼する島崎先生たちの協力を得て事態を対処していく…
原節子は女教師の島崎雪子を好演。
今なお歌い継がれる主題歌「青い山脈」はあまりにも有名。今井正監督の躍動感とユーモアあふれる演出、原節子、杉葉子の瑞々しい魅力がみなぎる青春映画の傑作です。
★「麦秋」
小津安二郎監督が笠智衆共演で父と娘の関係や娘の結婚問題を主なテーマに描いた家族ドラマ。
1951年10月3日(土)公開。
結婚にあまり興味のない娘とそんな娘に早く結婚してほしいと気を揉む家族を中心にさりげない日常をユーモアを織り交ぜて描く…
原節子は間宮家の長女の紀子を熱演。
原節子が気品あふれる美しさでヒロインを演じ、「晩春」、「東京物語」と並び、”紀子三部作”と呼ばれる小津安二郎監督の代表作の一作です。
★「東京物語」
小津安二郎監督が笠智衆、東山千栄子共演で戦後変わりつつある家族の関係を描いたヒューマン・ドラマ「東京物語」。
1953年11月3日(土)に公開され、配収1.3億円。
尾道に住む老夫婦が、東京で暮らす息子と娘を訪ねて、親子の情愛を確認しあう…
原節子は戦死した次男の妻の紀子を演じ、尾道から上京した夫の親の平山周吉ととみの世話をすることになる…
小津安二郎監督が家族の触れ合い、変わりゆく姿を独特の演出で味わい深く描いた世界映画史上最高の作品です。
★「山の音」
戦後日本文学の最高峰と評された川端康成の小説を成瀬巳喜男監督が上原謙、山村聡共演で映画化したドラマ。
1954年1月15日(土)公開。
戦後の鎌倉を舞台に息子夫婦と同居する尾形信吾と不実な夫の仕打ちに耐える嫁の菊子の揺れ動く心を描く…
原節子は尾形修一の妻の菊子を演じ、夫の浮気に耐える…
戦後の中流家庭の複雑な人間関係を描いた成瀬巳喜男監督の代表作。清楚で意志の強いヒロインを演じた原節子の演技が光っています。
★「秋日和」
小津安二郎監督が司葉子、岡田茉莉子共演でが母と娘の触れ合いを描いたヒューマン・ドラマ。
1960年11月13日(土)公開。
亡夫の7回忌を終えた美しい未亡人と婚期を迎えた娘の間に起きる小さな心の波風を繊細に描く…
原節子は亡夫の7回忌を終えた三輪秋子を熱演。
小津安二郎監督4本目のカラー作品で、独特の色彩が美しく、美しい未亡人とその娘の微妙な心理を描いた小津安二郎監督の傑作です。
最後の出演作品は1962年「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」。
2015年9月5日に肺炎のため亡くなられました。
数多くの映画に出演し、インパクトを残してきた原節子。
出演作でどの作品が好きですか?