8月15日は終戦の日。太平洋戦争を描いた映画でどの作品が心に残っていますか?
8月15日は終戦の日。1945年8月15日の正午に天皇陛下による玉音放送が行われ、国民にポツダム宣言受諾が伝えられました。
太平洋戦争を描いた作品では半藤一利のノンフィクションを岡本喜八監督、原田眞人監督がそれぞれ映画化した「日本のいちばん長い日」、高畑勲監督「火垂るの墓」、クリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」、役所広司主演「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」、宮崎駿監督「風立ちぬ」、岡田准一主演「永遠の0」など。どの作品が心に残っていますか?
★「日本のいちばん長い日」
半藤一利のノンフィクションを映画化した太平洋戦争終結の日群像歴史ドラマ大作。
太平洋戦争終結の日、宮城内地下防空壕の御前会議から天皇陛下の玉音放送に至るまでの緊迫の24時間を克明に描く…
●岡本喜八監督が三船敏郎、加山雄三共演で映画化。
1967年8月3日(土)公開。
157分と長尺ながら最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物を描き切った岡本喜八監督の手腕が光る名作です。
●原田眞人監督が役所広司、本木雅弘共演で映画化。
2015年8月8日(土)に公開され、興収13.2億円。
原田眞人監督らしく最初から最後まで緊迫感あふれるストーリー展開の連続。昭和天皇を演じ切った本木雅弘初め、陸軍大臣の阿南惟幾演じる役所広司、首相の鈴木貫太郎を演じる山崎努ほか俳優陣の迫真に迫った演技にはうならされます。
★「火垂るの墓」
直木賞を受賞した野坂昭如の小説を高畑勲監督が映画化した戦争アニメ。
1988年4月16日(土)に「となりのトトロ」と同時公開され、配収5.9億円。
終戦間近の神戸。清太と節子の兄妹は空襲の中、母親を亡くし、小母の家へ身を寄せるが、生活が苦しくなるに従って小母とのいさかいが絶えなくなり、清太は家を出る決心をする。
横穴壕で新しい生活を始めるが、やがて食糧が尽きてしまう…
戦時中の幼いふたりの兄妹が懸命に生きる姿があまりにもリアルに描かれていて、目をそむけたくなりますが、見ておくべき作品です。
★「硫黄島からの手紙」(原題 Letters from Iwo Jima)
クリント・イーストウッド監督が渡辺謙、二宮和也共演で硫黄島の戦いを日本側の視点から描いた戦争ドラマ。
2006年12月9日(金)に公開され、興収51億円。
硫黄島で36日間にも渡る熾烈な戦いを繰り広げた兵士たちの素顔が、数十年後に発見された手紙から次々と明かされていく…
二度と戦争を起こしてはいけないというシンプルなメッセージを、戦場で家族や仲間への愛を忘れない男たちの姿を通して訴えていて、渡辺謙、二宮和也ほか日本人俳優陣のアンサンブルが絶妙です。
★「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」
成島出監督が役所広司主演で聯合艦隊司令長官の山本五十六を描いたドラマ。
2011年12月23日(土)に公開され、興収15.3億円。
命を賭して開戦に反対しながらも、真珠湾攻撃の指揮を執ることになった聯合艦隊司令長官の山本五十六の実像に迫る…
アメリカとの開戦に反対し続けた聯合艦隊司令長官の山本五十六が日米開戦の火ぶたを切らざるを得なかった過程を役所広司が迫真の演技で見せてくれ、太平洋戦争のことを改めて考えさせられる作品です。
★「風立ちぬ」
宮崎駿監督が「月刊モデルグラフィックス」で連載していた漫画を自らが監督・脚本を手掛けたアニメーション。
2013年7月20日(土)に公開され、 興収120億円を挙げ、2013年No.1の大ヒット!!
実在した零戦設計者の堀越二郎と文学者の堀辰雄をモデルニ1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年技術者の堀越二郎の人生を描く…
ニューヨーク批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビューでアニメーション賞を受賞。
宮崎駿が描く空への憧れと大人の恋物語。宮崎駿監督の最高傑作ではないかと思えるくらいの作品で、深く感動させられました。久石譲の優しい調べと荒井由美の「ひこうき雲」がさらに感動を誘います。
★「永遠の0」
零戦搭乗員の悲劇を描いた百田尚樹のベストセラー小説を山崎貴監督が岡田准一主演で映画化したドラマ。
2013年12月21日(土)に公開され、興収87.6億円。
祖父の歴史を調べる孫の視点から”海軍一の臆病者”と呼ばれたパイロットの真実の姿を現代と過去を交錯させながら描く…
第38回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞の8部門受賞。
百田尚樹のベストセラーを山崎貴監督が過剰にならずに、現在と過去を交錯させながら描いた演出、岡田准一の深みのある演技、そしてサザンオールスターズの「蛍」がさらに感動を深くしてくれます。
★「アルキメデスの大戦」
三田紀房のコミックを山崎貴監督が菅田将暉主演で映画化した数学で戦争を止めようとした男の物語。舘ひろし、浜辺美波、柄本佑ほかが共演。
2019年7月26日(金)に公開され、興収18.9億円。
1930年代の日本を舞台に海軍少将の山本五十六は天才数学者の櫂直を招き、戦艦大和の建造計画を食い止め、軍部の陰謀を暴こうと動く…
山崎監督が徹底的なリサーチと最新技術を駆使し、完全再現を目指した戦艦大和が初登場。数学で戦艦大和の建造計画を食い止めようとする天才数学者の櫂直の努力を見ているとあきらめない勇気を教えてくれます。
太平洋戦争を描いた映画でどの作品が心に残っていますか?