第98回キネマ旬報ベスト・テンが発表。外国映画ベスト・テンでどの作品を見ましたか?
1位はクリストファー・ノーラン監督「オッペンハイマー」。
2位はスペインの巨匠ヴィクトル・エリセが31年ぶりに監督した「瞳をとじて」。
続いてアカデミー賞国際長編映画賞受賞「関心領域」、エマ・ストーン主演「哀れなるものたち」、「ファースト・カウ」、 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ」 …
第98回キネマ旬報ベスト・テン 外国映画ベスト・テンは次の通りです。
1位 「オッペンハイマー」(原題 Oppenheimer)
クリストファー・ノーラン監督が「原爆の父」の栄光と没落の生涯を描いたピュリッツァー賞受賞のカイ・バード、マーティン・J・シャーウィンのノンフィクションを映画化。キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニー・Jr.ほかが共演。
2024年3月29日(金)に公開され、興収17.9億円。
人類に原子爆弾という存在をもたらした「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者のJ・ロバート・オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤…
第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、キリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞、撮影賞、編集賞、ルドウィグ・ゴランソンが作曲賞の7部門を受賞。
第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯。
2位 「瞳をとじて」(原題 Cerrar los ojos)
スペインの巨匠ヴィクトル・エリセが31年ぶりに監督したドラマ。マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレントが共演。
2024年2月9日(金)公開。
映画の撮影中に人気俳優が失踪した事件の検証番組に出演した映画監督が、親友だった俳優との青春時代などを振り返っていく…
詩情豊かに綴られるワンシーン・ワンカット、そしてラストに待ち受ける映画の始まりと未来を繋ぐ、圧倒的映画体験。
3位 「関心領域」(原題 The Zone of Interest)、
外国作品賞受賞。
第96回アカデミー賞で国際長編映画賞、音響賞の2部門を受賞した衝撃的ホロコースト・ドラマ。マーティン・エイミスの小説をジョナサン・グレイザー監督が10年の歳月をかけて映画化。クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラーほかが共演。
2024年5月24日(金)に公開され、興収4.1億円。
第76回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞。
アウシュビッツ強制収容所の隣で穏やかに暮らすルドルフ・ヘス所長一家の姿を通して、正反対の収容所の残酷な一面を浮かび上がらせる…
アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族がいた…
4位 「哀れなるものたち」(原題 Poor Things)
エマ・ストーン主演で奇跡的に蘇生した女性を描いたドラマ。アラスター・グレイのゴシック小説を「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督が映画化。ウィレム・デフォー、マーク・ラファロほかが共演。
2024年1月26日(金)に公開され、興収5.1億円。
天才外科医によって蘇った若き女性ベラが世界を知るための冒険の旅を通じて成長していく…
第96回アカデミー賞でエマ・ストーンが主演女優賞、第81回ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門で作品賞、主演女優賞、第80回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。
5位 「ファースト・カウ」(原題 First Cow)
ケリー・ライカート監督がA24とタッグを組み、西部開拓時代のアメリカで成功を夢みる2人の男の友情を描いたドラマ。ジョン・マガロ、オライオン・リーほかが共演。
2023年12月22日(金)公開。
オレゴン州で出会った料理人と中国系移民の二人の男性が、ドーナツの販売で一旗揚げようとする…
アメリカの原風景のなかで綴られる友情の物語。
6位 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」(原題 The Holdovers)
ポール・ジアマッティ主演の絆の物語。「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペインが監督。ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサほかが共演。
2024年6月21日(金)に公開され、興収1.0億円。
1970年の名門校でクリスマス休暇に学校に留まらざるを得ない3人の男女が心を通わせていく…
第96回アカデミー賞でダヴァイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞。
孤独な魂が寄り添い合い、思いがけない絆が生まれる…
7位 「シビル・ウォー アメリカ最後の日」(原題 Civil War)
分断され終わりゆくアメリカを描いたディストピア・アクション。「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本。キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラほかが共演。
2024年10月4日(金)に公開され、興収6.7億円。多くの州が連邦政府から離脱し、内戦状態に陥る中、ある戦場カメラマンたちがワシントンD.C.を目指す…
もし今、アメリカが2つに分断され、内戦が起きたら。 A24史上最大の製作費で贈る、ディストピア・アクション。
8位 「落下の解剖学」(原題 Anatomie d’une chute)
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマン・ドラマ。「ヴィクトリア」のジュスティーヌ・トリエが監督。ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネールほかが共演。
2024年2月23日(金)に公開され、興収2.2億円。
雪山の山荘で男が転落死し、妻に容疑がかかる。唯一の証人は視覚障害のある11歳の息子だった…
第96回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、サンドラ・ヒュラーが主演女優賞、編集賞の5部門にノミネート。
第76回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール、第81回ゴールデン・グローブ賞で脚本賞、非英語作品賞の2部門受賞。
9位 「夜の外側 イタリアを震撼させた55日」(原題 Esterno notte)
1978年にイタリアで起きたアルド・モーロ元首相誘拐事件をマルコ・ベロッキオ監督が映画化したドラマ。ファブリツィオ・ジフーニ、マルゲリータ・ブイ、トニ・セルヴィッロほかが共演。
2024年8月9日(金)公開。
国家を揺るがす大事件の全容をモーロ自身や彼の家族、誘拐犯メンバーなど、件に関わった人物それぞれの視点で描く…
類を見ない大事件「アルド・モーロ誘拐事件」を題材に壮大な人間模様をフレスコ画のごとく描いた一大巨編。
イタリアのアカデミー賞と言われる第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で監督賞、主演男優賞ほか4部門を受賞。
10位 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」(原題 Fly Me to the Moon)
スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム共演で人類初の月面着陸の舞台裏を描いたドラマ。ウディ・ハレルソンが共演。「フリー・ガイ」の製作に携わったグレッグ・バーランティが監督。
2024年7月19日(金)に公開され、興収1.6億円。
人類初の月面着陸の舞台裏で起きていた<奇想天外な極秘プロジェクト>。世界が目撃したのは、リアルか”フェイク”か!?
人類初の月面着陸に関する”ウワサ”から生まれた映画…
情報元: キネマ旬報 2025年2月号